BUMP OF CHICKEN の哲学を知りたくて…

BUMPの歌詞には哲学があるような…?そう思い、歌詞解釈を始めました。

ハルジオン

ハルジオン   BUMP OF CHICKEN

http://youtu.be/BX6jL52Mn0g

歌詞は
http://j-lyric.net/artist/a000673/l0013dc.html
 
ハルジオンは、車輪の唄と同じように情景が自然と浮かんでくる曲です。

ブリキのジョウロを持って、虹を作っている少年の側に揺れるハルジオン…
少年はハルジオンの存在に気付き、それと同時にいろいろなことを思い出す。
どんな時もずっとハルジオンは自分の側で咲いていた…
でも、誰のため?何のため?

物語調でありながら、それぞれが何かのメタファーになっている。
いつものことながら奥深いです。

私は今回、ハルジオンの中で歌われている「虹」は「自分の夢」、「白い花」は「自分自身、自分の信念(これは歌詞で歌われていますが)」と解釈しました。


↓以下解釈です。

夢を追いかけていた。それに手を伸ばしたら夢は消えていった。
夢を追いかけていた時の希望や喜びの欠片をぶら下げたまま、立ち尽くした昼下がり。

名前があったなぁ…あの白くて背の高い花。
夢を失くしたときも、視界のはずれで忘れられていたように、それでも必死で咲いていた。

夢を失ってから時が経ち、色褪せて霞んでいくあの時の記憶の中。
ただ一つ、今でも思い出せるのは、あの忘れられたようにでも、必死で咲いていた白い花。

いつだったけなぁ…夢を諦めたその傷を涙で濡らしたあの時も。
涙で滲んだ景色の中で、あの花だけは滲むことなく揺れていた。

いつだったけなぁ…。自分に嘘をついて、ごまかして生きたあの時も。
あの花は、正しいリズムで(ごまかすことなく)風と唄うように揺れていた。

いつの日もふと気づけば僕のすぐ側で、どんな時も汚れることが無いまま白い花は咲いていた。
それは誰のため?何のため?

生きていく意味を失くしたとき。
自分の価値を見失ったとき。
ほら、見える。心の中で揺れる白い花。
ただ一つだけ思い出せること。
いつだって折れること無く揺れるもの。

夢を追っていた。一度で良いから触れてみたかった。
皆大人になったら、鼻で笑い飛ばす夢と希望。
だけど、僕らは気付かずに繰り返している。
大人になっても夢を追い、手を伸ばす。

いろいろな経験をして、いくつもの景色を通り過ぎてきた人に問う。
「今君を動かすものは何?(何のために生きている?)
その色は?(それは汚れてしまったのか?)
その位置は?(そのありかも変わってしまったのか?)」

夢なんてもうどこかに落としてきた。
希望とも遠く距離を置いた。

それでも、ほら、今も変わらずに心の中で揺れるあの白い花。
僕は気付かなかった。(気付かないフリをしていた)
本当はそれが汚れていないことも、いつも心の真ん中にあることも知っていた。

夢を追っていた。
だけどどうにもならない現実の中で、いつしか花は枯れていた。
視界にあるのは、数え切れない涙の水たまりだけ。

自分の中の大事な何かが、音も立てずに消えていった。
夢を追っていた時の希望や喜びが、涙で塗り替えられていった。

それでもまだ諦められずに僕はいる。
夢をみる。縋るように繰り返している。
その夢が叶わない事も知りながら、それでも必死に手を伸ばす。

名前があったなぁ…。白くて背の高い花。
枯れて解ったよ。あれは僕のために咲いていた。

大切なあの花の存在に気付くのが遅過ぎてうなだれた僕の目が捉えたのは、涙の水たまりの中でしっかりと根を張る小さな芽。新しい芽。

生きていく意味(白い花=自分自身、自分の信念)とまた出会えた。
自分の価値が今生まれた。

枯れても枯れない花が咲く。(何があっても決して無くすことの出来ない自分の信念が息を吹き返す)
僕の中に深く根を張る。

ほら、ここに揺れる白い花。(いつもここにある大切なもの)
僕は気付かなかった、その花の忘れられていた名前。

それがずっと僕の中で揺れるなら……
それは決して折れることなく揺れる、僕の揺るぎない「信念」だろう。